「つわり」の語源って？妊婦さんを悩ます言葉の由来を解説

「つわり」という言葉、あなたは一体何と結びつけますか？
「辛い」「つらい」そんなネガティブなイメージが強い言葉かもしれません。
しかし、「つわり」という言葉には、意外な歴史や意味が隠されているのです。
今回は、そんな「つわり」の語源を紐解きながら、妊娠の神秘に迫ります。

つわりの語源

「つわり」という言葉の語源を知ることで、妊娠中の女性が経験する苦しみや、その背景にある身体の変化についての理解が深まります。
つわりは、妊娠のサインであり、女性の身体が新しい命を育むために適応している過程の一部なのです。

漢字で表記すると「悪阻」です。
この「悪阻」は、妊娠によって引き起こされる吐き気や嘔吐を意味し、特に「悪」は「良くない」や「不快」を示す言葉です。
一方、「阻」は「妨げる」や「止める」という意味を持ち、つわりが妊婦の日常生活にどれほどの影響を与えるかを表しています。

「つわり」という言葉は、動詞「つわる」から派生したと考えられています。
「つわる」は「芽が出る」や「芽ぐむ」という意味を持ち、妊娠によって身体が変化し、さまざまな症状が現れることを示唆しています。
このように、新しい命を芽吹いている、という意味をもっています。

語源を知ったところで、古代のつわりについても考えてみましょう。
平安時代には、貴族を中心に妊娠や出産に関する記録が残されており、妊娠初期の身体の変化や儀式的な対応が書かれた文献も見つかっています。

古代日本において、妊娠は神聖なものとされており、つわりもその一環として特別視されていました。
当時の人々は、女性が妊娠すると身体にさまざまな変化が起こることを神の意志や自然の力と結びつけて考えていたため、つわりも新しい命が宿った証として受け入れられていました。

「つわり」という言葉が持つ「芽が出る」「芽ぐむ」という意味は、単に体の変化だけでなく、命が育まれる神秘的な現象を象徴していたのです。
妊娠初期に起こるつわりが、生命の誕生を予感させる兆しとされ、つわりが始まることは、妊娠が順調に進んでいることの証拠と捉えられていました。

つわりを和らげるための民間療法や特定の食事法も存在しており、家族や地域社会全体で妊婦を支える風習がありました。
例えば、特定の植物や食材を用いてつわりを軽減する試みが行われたり、妊婦が安定して過ごせるよう祈願する儀式が行われたりしたことが記録されています。

つわり中は、いつも通りの生活を送ることが難しくなる場合もあります。

「食べづわり」や「吐きづわり」など、つわりの症状によって、食事の悩みも様々。

この2点を意識することが大切です。

※注意点 効果や感じ方には個人差があります。無理せず、試してみてくださいね。

つわりによる体調不良に加えて、ホルモンバランスの変化も重なることで、精神的に不安定になりやすい時期でもあります。

つわりの語源をひもとくことで、古くから人々が妊婦さんの体調変化に注目してきたことが分かります。
つわりは、単なる体調不良ではなく、新しい生命が誕生する過程で起こる自然な現象と言えるかもしれません。

また、つわりの原因は、まだ完全には解明されていません。
しかし今後、研究が進み、より多くの妊婦さんが快適な妊娠生活を送れるようになることを期待しましょう。